よくあるご質問(トルツ®について)


トルツ®について

A1. 乾癬の発症原因はまだ詳しくは解明されていませんが、正常な皮膚に存在する免疫細胞がサイトカイン※を過剰に分泌することによって、皮膚の炎症や、関節のはれ・痛みといった症状をもたらすことがわかっています。乾癬の病態に関わるさまざまなサイトカインの中でも、「IL-17A」(インターロイキン17A)というサイトカインが深く関与していると考えられています。トルツは、このIL-17A(インターロイキン17A)に選択的に結合し、その働きを弱めることによって効果を発揮します。

※ サイトカイン:
体内の細胞から細胞へ情報を伝達する物質で、本来は体を正常に機能させるために必要なタンパク質。何らかの原因で過剰に増えてしまうと、炎症やアレルギー症状などを引き起こします。

A2. トルツの成分はタンパク質なので、飲み薬にすると胃腸で消化され、作用部位に届く前に効果がなくなってしまいます。薬の有効成分の効果を安定に保ってきちんと作用するためには、注射薬としての使用が最適なのです。

A3. トルツによる治療に食事の影響はありません。食事の前でも後でも注射をすることができますので、トルツ使用のために食事の時間を決める必要はありません。 またトルツ使用のために、特定の食事制限などは必要ありません。

A4. トルツを含む生物学的製剤による治療中には、安全に生物学的製剤による治療ができているかどうかを確認するために、定期的な検査をすることが推奨されています。また、定期的な検査に加えて、副作用の有無を確認するために、臨床検査を受けるように担当医が判断する場合があります。
臨床検査については、担当医の指示に従ってください。

A5. トルツの使用開始後に、感染症にかかったと思われる場合や、感染症の徴候や症状があらわれた場合には、すぐに担当医にお知らせください。トルツの使用により、あなたの体が感染症と戦う力が弱まって病気にかかりやすくなっている可能性があるので、ふだんからの注意が必要です。

  • 注意すべき感染症の徴候・症状 ・発熱、発汗、悪寒
    • 筋肉痛、関節痛
    • 咽頭痛、鼻汁
    • 咳、または血が混じった痰(唾、粘液)
    • 息切れ
    • 口内の痛み、口内の白い斑点
    • 白いおりもの(膣帯下/膣分泌物)
    • 乾癬によるものでないと思われる、皮膚の熱感、赤み、痛み、かゆみ、身体の痛み
    • 下痢、腹痛
    • 排尿時の灼熱感、排尿頻度の増加
    • 体重減少

など

ライフスタイルについて

A1.

  • 日常の身体活動量を増やすことは、メタボリックシンドロームを含めた生活習慣病(心臓病・糖尿病・がんなど)の予防や、気分転換やストレス解消につながります。とくに乾癬の患者さんはメタボリックシンドロームを合併しやすいと言われているため、適度な運動を心がけることをおすすめします。
  • 身体に負担がかかると思われる運動を始める際には、事前に担当医に相談し、あなたの症状に合った運動の方法や量についてアドバイスをもらいましょう。
  • 厚生労働省による「健康づくりのための身体活動基準2013」では、日常生活の中に下記のような運動習慣を取り入れて、いまより10分多く体を動かすことを推奨しています。例えば、10分間歩くと約1,000歩になりますが、生活習慣病の予防のためには、男性は毎日9,000歩、女性は8,500歩を目標とするとよいとされています(20歳~64歳)。これを目安に毎日の運動習慣を見直してみるのもいいでしょう。今日から手軽に始められることも多いので、ぜひ参考にしてください。
    • 通勤時の速歩き
    • 休憩時間中の散歩
    • 家事の間の「ながら体操」
    • テレビを見ているときの筋トレ・ストレッチ
    • 階段を使う
    • 運動施設に通う

など

A2.

  • 一般的に、乾癬の治療においては、厳密な食事制限や食事療法は必要ないと言われています。その一方で、乾癬患者さんは肥満や高脂血症、糖尿病などを合併しやすいという報告があり、これらの疾患リスクを下げるために食事に注意したほうがよいという意見もあります。また、ある程度のカロリー制限は、皮疹の改善に有効であるという報告もあります。
  • 日本皮膚科学会でも、カロリー過多にならないように注意し、栄養バランスのよい食生活を心がけることを推奨しています。
  • 身体が温まるとかゆみが起きることがあるため、香辛料の多い食事(カレーライスなど)には注意しましょう。
  • 食事内容に配慮することも大切ですが、厳しい食事制限は精神的な負担となり、かえって皮疹を悪化させてしまうこともあります。食事内容の大きな変更を検討する際には、事前に担当医に相談してアドバイスを受けるようにしましょう。
  • アルコールの摂取は控えめにしましょう。適量を守り、定期的に休肝日を設けるなどして飲み過ぎには十分注意しましょう。
  • EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヒキサエン酸)には抗炎症効果があると言われています。EPAやDHAを多く含む食品(サバ、サンマ、イワシ、ブリ、マグロなど)を積極的に摂取してみるのもいいでしょう。

A3.

  • 入浴やシャワーは、肌を清潔に保つだけではなく、保湿や気持ちをリラックスさせる効果があると言われています。
  • 長時間の入浴や熱すぎるお湯は、かゆみを増したり、皮膚に刺激となったりする可能性があります。お湯は40°前後でぬるめの温度に設定し、長時間の入浴は避けた方がよいでしょう。
  • 体を洗うとき、皮膚を強くこすると症状が悪化することがあります。ナイロンタオルやかたいスポンジの使用を避け、手や柔らかいタオルでせっけんをよく泡立ててなでるように洗いましょう。洗ったあとは、せっけんが残らないよう十分に洗い流すようにしましょう。
  • 洗髪のときに、爪を立てたり、ブラシで強くこするなど頭皮に強い刺激を与えると症状が悪化することがあります。シャンプーはよく泡立てて、泡で頭皮を覆うようにしてやさしく洗いましょう。最後は、髪や頭皮にシャンプーやリンスが残らないよう十分にすすぎましょう。

A4.

  • 乾癬の症状がない部分を引っかいたり傷つけたりすると、そこに新しい乾癬ができることがあります。これを「ケブネル現象」といいます。ケブネル現象は、衣服や寝具(布団シーツ・枕カバー)などの刺激によっても起こる場合があるので、これらの素材には肌にやさしい、綿製品などを選ぶようにしましょう。化学繊維やウール製品などは肌に刺激を与えることがあるので避けた方がよいでしょう。
  • 衣服やパジャマのデザインは、身体を締めつけたり、皮膚をこすったりしないよう、ゆったりしたものを選ぶようにしましょう。
  • 衣服を洗う洗剤は低刺激性のものを選ぶようにしましょう。

A5.

  • 化粧についての悩みや新しいスキンケアを検討したい場合には、まず担当医にしてみましょう。担当医はあなたの皮膚の状態を把握しているので、その方法があなたに適切かどうかを判断することができます。
  • 皮膚科医による乾癬治療を受けていない場合は、担当医から紹介してもらうこともできます。皮膚科医はスキンケアの専門家ですので、あなたにあった化粧方法やスキンケアについて、よいアドバイスをもらうことができるでしょう。

A6.
<入浴後>

  • 入浴後は、肌が乾燥しやすくなるので保湿ケアを心がけましょう。お風呂から出てまだ肌が湿っているうちに保湿クリームなどをつけ、潤いを保つようにしましょう。また、化粧水やローションよりも、軟膏やクリームのほうがより高い保湿効果が期待できます。
  • 保湿剤などのスキンケア製品は、なるべく無香料で添加物の少ない、低刺激性のものを選びましょう。

<冬のケア>

  • 空気が乾燥する冬季は、肌も乾燥しやすくなります。外出の際は手袋を着用し、寝るときにも靴下を着用するなどして、乾燥から肌を守りましょう。
  • ストーブやエアコンなどに近づきすぎても、肌が乾燥しやすくなります。熱源から適度な距離を保ちながら、体を保温することが大切です。リビングや寝室に加湿器を置くこともおすすめします。
  • ウールなどの衣類は肌に刺激を与えることがあるので、下に綿や絹の下着を着て肌を保護するといいでしょう。

A7.

  • 日光の中の紫外線は乾癬の炎症を和らげたり、皮膚の新陳代謝をおさえたりする作用があると言われています。ただし、強い日差しの中の急激な日光浴は、かえって乾癬の悪化の原因になることがありますので、担当医に相談してから行うようにしてください。最初は短い時間で様子をみて、徐々に時間を増やすのがよいようです。
  • 日焼けをしすぎないように、皮疹のない皮膚の部分には日焼け止めクリームをぬったり、衣類やラッシュガードで隠すなどして、日光浴をするように心がけてください。
  • また、長時間紫外線にあたると皮膚がんの危険性が高まると言われています。定期的に医師の診察を受けるとともに、乾癬の皮疹とは異なる皮疹が見られた際には、速やかに担当医にご相談ください。

A8.

  • 乾癬の症状を悪化させる要因はさまざまですし、患者さんによっても異なります。ご自身の乾癬の増悪の原因を知ることで、悪化を防いだり、早めに対処することができます。
  • アメリカの国立乾癬財団や日本の患者会のサイトなどによると、一般的な要因として以下のものが挙げられています。

<乾癬の悪化につながる要因>

  • ストレス
  • 過度の日焼けなどによる皮膚の損傷
  • 感染症
  • 薬剤 (他の病気の治療で使用する薬剤の中には、乾癬にとってよくないものもあります。)
  • 偏った食事・飲酒・喫煙
  • 皮膚の乾燥
  • 入浴(皮膚を清潔に保つために入浴は大切ですが、洗いすぎて皮膚が傷つくと悪化をまねくことがあります。)

A9.

  • 家族やパートナーに、あなたの乾癬の症状や治療法について理解してもらうことは、治療をすすめる上でとても大切なことです。まずは、乾癬の基本的な情報を知ってもらいましょう。例えば、人に伝染する病気ではないこともその一つです。日本皮膚科学会や米国皮膚科学会でも、乾癬は決して人にうつらず、接触や、同じプールでの水泳、性交渉などによって人に伝染するものではないことを啓発しています。
  • 病院に行くときに、家族やパートナーに一緒に来てもらえるようお願いしてみるのもいいでしょう。あなたの症状について、担当医から家族やパートナーに説明してもらうこともできます。
  • 日本皮膚科学会や日本乾癬患者連合会のウェブサイトでは、乾癬に関する基本的な情報や日常生活の注意点などが多く掲載されているので参考にしてみましょう。これらの情報を、家族やパートナーと一緒に見ることも乾癬を理解してもらうための一助となるでしょう。

日本皮膚科学会「皮膚科Q&A:乾癬」
日本乾癬患者連合会ウェブサイト
日本乾癬患者連合会「みんなで治そう乾癬ハンドブック(’09年改訂版)」

A10.

  • 温泉に入ってリラックスすることは、乾癬の治療をすすめる上でもよいとされています。ただ、一部の温泉では、乾癬の症状がよくなることがあると言われていますが、温泉に含まれる成分によっては、皮膚の乾燥やかゆみが生じたり、乾癬の悪化を招く場合もあるので注意が必要です。ご自身の症状などにより温泉に入るのに不安がある場合や、温泉に入って症状が悪化した場合は、担当医に相談してください。
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